
オーバーグルグルの村と教会
建物の大部分はホテルか土産物屋か登山/スキー用品の店である。
この谷では夏スキーは出来ないが、氷河上のトレッキングや3300mを越えるピークへの本格登山から殆ど平らのハイキングコースまでが縦横に走っており、
夏の山の遊びには事欠かない。スキーリフトも登山/ハイキング用に動いている。
オーストリアのチロル地方最大の支谷エッツタールはチロル本谷から50Km遡ることが出来る大きな谷である。谷の終点は標高2474mのティンメルスヨッホ峠で、
ここを越えるとイタリア領の南チロルに出る。南チロルは第一次世界大戦後イタリア領になった地域で今でもイタリア語に
併用してドイツ語が使われている。
ティンメルスヨッホ峠の登り口、標高1830m付近で右に分岐するとグルグルの谷に入る。
グルグル(Gurgle)とは冗談としか思えない地名であるが、語源はGurgel=喉と同じらしい。分岐の少し手前にウンターグルグル(下のグルグル)の村(1793m)、
分岐してしばらくしてオーバーグルグル(上のグルグル)の村(1910m)、ティンメルスヨッホ峠を少し登ったところから分岐するとホッホグルグル(高地のグルグル)2154mがある。
ホッホグルグルはスキーの為の集落で、外観はホテルが並ぶ大集落であるが、雪が無い夏は留守番と羊飼いしかいない。
オーバーグルグルもスキーが主体の村であるが、
奥に観光資源の氷河があり、周辺の風光も良いので通年観光客を受け入れていて、その為の施設がある。また土着して牛や羊を飼っている農家もあり、
オーバーグルグルは通年礼拝が行われる教会があるオーストリアで一番高い村という事になっている。

ホーエムートからガイスベルク氷河(馬の背の左側)、ロトモス氷河/ヴァッサーフォール氷河(右側)を望む
オーバーグルグルの村外れからリフトを乗り継いで氷河が削り残した馬の背のような台地、ホーエムート(2659m)に登る。
勿論歩いても良いが相当のアルバイトになる。写真の馬の背と下の谷の標高差は最大350m、氷河に近づくにつれて標高差は小さくなっていく。
従って、行きはホーエムートから氷河に向かい、帰りは谷沿いに下るのが利口で、その逆は同じ距離であるが労苦を伴う。
ロトモス氷河の入り口

ホーエムートからの馬の背尾根の終点で、ロトモス氷河にぶつかるが、氷河は崖の下で、その崖は普通の人間には降りられない。
氷河に触るには、氷河を遡るように平行にかつ水平に着いた道を歩いて行くが、この道は氷河上トレッキングのアプローチ道で特に難しくは無い。
写真では右下から入り込んで、手前の小さな山の向こう側を山を巻くように行く事になる。
この写真は、夏の初めに行った時の物で氷河の上に積雪が残っている。
ロトモス氷河


夏の終わりの姿で、氷河の上の雪は消え、岩が散乱していて、至る所に割れ目があり、水が流れている。
この氷河行きを薦めてくれたのは、夫婦で登山に来たと言うフランスのナントの造園業という相客で、彼らには岸から10メートル位なら乗っても良いが
絶対に奥に入ってはいけないと言われていたので岸辺で遊ぶ。

実は氷河上に散乱している岩にはガーネット(柘榴石)が沢山含まれていて、ガーネット狩りという珍しい遊びが出来るのである。
ガーネットの母岩は銀色をした比較的脆い岩で、含まれるガーネットは半透明/不透明の赤茶褐色で表面が光る位きれいな多面体をしている。
大きな物で10ミリ位の物があったが大部分は数ミリの小粒、造園業者の師匠によると最大では50ミリ位の物があるそうであるが、
氷河の岸辺ではそんなに大きな物は見つからなかった。
ヴァッサーフォール氷河

ロトモス氷河とほぼ直角の位置にあるヴァッサーフォール氷河。水の滝という意味である。
ロトモス氷河より大規模であり最後の切れ落ち方が本当に水の滝のようで派手である為人気があるのか、大部分の人はこの氷河の展望の良い所に集まっていて、
約1Km登った先のロトモス氷河に向かう人は殆ど皆無であった。ロトモス氷河のガーネット狩の事は知られていないらしい。
ロトモス氷河/ヴァッサーフォール氷河遠望

ホーエムートの氷河に向かって右の谷、ロトモス氷河とヴァッサーフォール氷河が合流して溶けて流れ出している谷であるが、流れる
水はちょろちょろである。
谷にはよくよく見るとガーネットが散見できるが、これはその気になって探したからで普通は気がつかないであろう。